時代の風潮に
色んな人と出会うと、色んな人がいるという当たり前のことに気が付く。
人は様々なバックグランドを抱え、それぞれが持つ考え方や世界の見方がある。だからこそ、多様性を求める風潮は、これまで生きづらさを感じていた人が個性を出せるようになるかもしれないし、もっと広まればいいなとも思う。
しかし、そうした風潮にただ流された、表面的な多様性を押し付ける人もいる。
整形に反対?賛成?
近年、医療の発達により高い技術の整形を安価に受けられるようになっている。’プチ整形’という言葉があるように、金銭的にも精神的にも手を出しやすくなっている。
しかし、整形をした人への風当たりが強いことは否めない。SNSで整形したこと、整形していたことを報告または暴露という形で表にでると、非難の声をコメント欄で見かけることがある。整形に賛成派のAちゃんは「作り物」「だまされた」「親からもらった身体なのに」そんな言葉を見るたびに違和感を覚えていた。
メイクは作り物ではないのか、ピアスをつけるために耳に穴をあけることは身体にメスを入れるのとは違うのか、可愛く・かっこよくなりたい。コンプレックスを解消したいという気持ちから整形に手をだすことは非人道的なのか。
日本を出れば、就職のために整形する、整形は当たり前とする国もある。
Aちゃんは、整形に反対する人は多種多様な人や文化を認めず、考え方が古いと非難する。しかし、これこそが多様的な考え方を勘違いし、結果何となくの正しさを押し付けているだけなのだ。
Aちゃんは、いろんな文化を知ることで日本での当たり前が当たり前じゃなくなると考えている。また、’整形は高額な費用を払って顔を作り変える’と認識されていたが、医療技術の発展により、その考えは古い。だから、整形は賛成であり、それこそが柔軟な考え方だと主張する。Aちゃんの考え方は柔軟的にみえて、実はそこまで柔軟ではない。
反対派を古いと決めつけるのは、自身の正しさを押し付けているだけだ。
反対派にはきちんと理由を持って反対している人もいる。Aちゃんがばかにした「作り物」「だまされた」「親からもらった身体なのに」というコメントを残した反対派にはちゃんとそう思う意見があるのかもしれない。
誰が柔軟な考え方を持てるのか?
柔軟な考え方を持つということは、自分とは異なる意見を持つ相手に耳を傾けられるということだ。賛成派が反対派の、反対派が賛成派の意見や考えに耳を傾けることで、この場合、賛成派・反対派どちらも柔軟な考え方を持とうとしていると言える。
賛成することが多様性を認めていると勘違いしている賛成派や、自分の考えが絶対のように非難のコメントをする反対派は、ただ自分の正義を振りかざす凝り固まった思想の持主なのだ。