大学1年のKくんは、高卒で社会人になった友人たちが仕事に対してストレスを感じ行きたくない、辞めたいと悩んでいる姿をみて、社会人になることに怖さを覚えた。
”社会人になれば仕事をしなければならない、でもそんなに苦しいならどうやって生きていくのが正解なのだろう”と友人の姿を見て将来に不安を感じた。
柱の数
学生から社会人になると学校から仕事場へと生活の軸が大きく変わる。仕事をして稼ぐことは生きていくために必要なことであり、仕事をする時間は1日の大半を占めることになるだろう。だからこそ、仕事が生活の中心になり、いつしか仕事に生活が支配されるということがよく起こる。
時間的にみると生活の中心が仕事になっても仕方ないとも思うが、気持ちの感覚的に仕事を中心する必要はない。
恋愛で、長続きする方法として’恋愛脳になりすぎない’という説がある。これは恋愛を自分の生活の中心にするなど恋愛に依存しない方がうまくいくということだ。趣味や仕事、1人の時間、友人・家族との時間、といったように、恋人との時間の他に自分が大切にしている人、モノ、場所に使う時間を持つことで、自分の中に恋人という柱だけでなく、他の柱も立つ。そうすることで恋人に依存するのではなく、自分の居場所の1つとすることができる。もちろん彼氏、彼女がお互いに恋愛脳であれば、長続きするのかもしれないが...
この数本の柱を持つということは仕事に対しても役に立つ考え方だろう。柱が仕事だけだと、その仕事が楽しくないと生きていることが楽しくないということになってしまう。仕事で嫌な事やうまくいかない事があったとしても他の柱があれば、支えることも補うこともできる。仕事という柱が折れてしまっても、それを修復するまで他の柱たちがあるおかげで’生きることに絶望する’とまではいかないだろう。
自分の価値観を自分自身は理解できてる?
はじめに記述したK君に声をかけられるなら、”あなたの仕事に対する価値観を教えてほしい”と言いたい。
仕事への価値観は人それぞれだ。仕事を一本の大黒柱にして生きていきたいと思う人もいれば、仕事はお金のためであり、仕事以外の時間を大切にしたいと考える人もいる。しかし、社会人になりたての頃は、その価値観が自分の中で定まっていないまま、無我夢中で仕事をして、いつのまにか柱が仕事しかなくなっていたということが起こりやすい。だから、社会人になる前に自分の中で現時点での仕事の位置づけをすることは大切だ。
大学3年生のAちゃんは仕事に対して次のような考えを持っている。
Aちゃんは仕事は料理と同じだと話す。
「生きていく中で’食’は大切だ。人は一日だいだい3食食べる。今はスーパーやコンビニに豊富な種類のお惣菜もあるし、美味しい飲食店もある。でも料理ができたら節約にもなるし、’食事’がもっと豊かになると考える。だから、料理を味方にして楽しいと思えるように料理を練習している。仕事も同じだ。一日のなかで仕事をしている時間は長い。だからいやいや仕事をするよりも、ちょっとでも楽しいと思えたり、今日も仕事頑張ろうと思って会社に行きたい。仕事は味方にまでならなくてもいいけど敵だとは思いたくない。」と、Aちゃんは話す。
帰着点
人それぞれ仕事に対する考えがある。大切なのはそれをきちんと自分自身が理解できているかということだ。大切なモノも人も時間も1つじゃなくていい。たくさんあればあるほど人生は豊かになるだろうし、どれか一つ柱が折れても’人生積んだ’レベルの大ごとにはきっとならない。